SES現場のリアル|客先常駐でよくある7つの悩みと脱出ルート(心理学で解説)

転職・キャリア

「毎日、客先に行くだけで心が重い」
「このまま何年もスキルがつかない気がする…」
「現場ガチャで人生変わるの辛すぎ」

——もしあなたがこんな状態なら、この記事はあなたを守るためのものです。

SESは合う人には合う。でも、消耗し続ける人は確実にいる。
この記事では、SES現場でよくある7つの悩みを心理学の視点から深掘りしつつ、確実に脱出するためのステップをSES歴15年の現役SESの私が大学で専攻していた心理学の視点で整理していきます。


■ 1. 「現場ガチャ」で人生が左右される

◆ よくある悩み

  • 地獄の現場 → 休日なし・炎上の尻拭い・残業地獄
    →これ経験してストレスで激太り、長時間座りっぱなしで腰痛を発症と一度体を壊しました。
  • いつ配属が変わるかわからない不安感
    →これもよくある。会社の都合でコロコロと配属が変わる現象。契約等でいろいろ事情があるのは理解できるが当の本人からしたらたまったもんじゃない。
  • まともな現場 → 定時で帰れる・学べる
    →ここ最近は配慮される現場が多くなってきた印象あるけど、こういった現場を引き当てるまでは1点目や2点目の現場を彷徨うことになります。

◆ 心理学で言うと「制御感の喪失(コントロールロス)」

人は「自分で選べている」感覚があるとストレスに強いけど、
SESは 配属=他人の判断 に依存するため、不安が蓄積しやすい。

自分の人生なのに「誰かが決めている」状態が続くと、
行動力が低下し、鬱傾向に近づきやすいことが研究でも分かっている。

◆ 脱出ルート

  • 現場変更を相談
    同じ現場に先輩がいれば近いところから相談するのがよい。
  • スキルシートを育てて転職カードを持つ
    スキルの棚卸し、リスキリングなど雑多な日々を送っていると疎かになりがちなことを
    一度整理する時間を設けることが大切。
    何ができて何ができないかが見えてくるだけで今後のアクションが取りやすくなります。

■ 2. 「スキルが伸びない現場」に放置される

◆ よくある悩み

  • テスターのまま数年
  • 保守運用だけで開発経験が積めない
  • 仕様書の修正だけで毎日が終わる

    どれも現場ガチャの最たる例。本当は開発がやりたいのにそれ以外の現場だったとかあるあるすぎます。

◆ 心理学でいうと「学習性無力感」

努力しても環境が変わらない経験を積むと、
**「どうせ何しても無理」**という思考癖がつく。

SESの“常駐文化”はこれを誘発しやすい。

◆ 脱出ルート

  • 「積みたいスキル」を明文化(Java?React?AWS?)
    あなたの思い描く理想像は?
  • 現場変更 or キャリア相談
    やったことのない工程を経験できる現場を希望する。
    正直こういった希望が通らない会社であれば辞めるべき。
  • 転職サイトで「市場価値」を確認して自己効力感を高める
    過小評価してる人が多い。市場的にはかなり需要あるし、IT人材はほんとに貴重だと思う。

■ 3. 客先と自社の板挟み

◆ よくある悩み

  • 客先「納期守れ」
  • 自社「残業しすぎるな」
  • 自分「どうしたらええねん…」

◆ 心理学でいうと「ロールコンフリクト(役割の衝突)」

役割が2つ以上あると、人はストレス過多になる。

SESは「客先の都合」と「自社のルール」が必ずぶつかるため、
心理負荷が高い働き方。

◆ 脱出ルート

  • 客先に業務量を事実ベースで報告
    経験則として残業しすぎて週5勤務から週4勤務に減らされたりしたことある。
    働きすぎも契約的に問題ある可能性高いので要注意。
  • 自社に負荷を共有(“相談”として伝える)
  • 転職も視野に入れ、逃げ場を確保しておく
    辞めても現場としては代わりの人を入れるだけ。
    スケジュールが遅れて責任取るのは上の人。もっと言うとユーザ側のシステム部門。

■ 4. 孤独感(自社の仲間がいない)

◆ よくある悩み

  • 客先に自社の人がいない
    私はよく独りぼっちになりがち。。。
  • 会議が全部「よそ者」扱い
  • 助けを求める相手がいない
    誰に相談すればいいの?状態になりがち。。。

◆ 心理学でいうと「社会的孤立」

人は「仲間がいる」感覚があるだけでストレス耐性が上がる。

現場によっては
完全に1人で放置される=メンタルが落ちやすい
という構造的な問題がある。

◆ 脱出ルート

  • 自社のSlackなどで積極的に相談
    同じような悩みを持ってる人は多いのでアドバイスくれる。
  • 横のつながりを意識的に作る
    社内イベントなどあれば参加してみると普段と違う雰囲気味わえて気分転換にもなる。
  • 孤独にならない働き方へ変更(社内開発・受託など)
    業界の働き方を調べてみるといろいろある。

■ 5. 無茶な納期・残業の押し付け

◆ よくある悩み

  • 工数見積りが非現実的
  • 「帰れる空気じゃない」
  • 常に炎上気味

◆ 心理学でいうと「慢性ストレス」

ストレスホルモン(コルチゾール)が長期間高い状態になると
集中力・記憶力・判断力が落ちていく。

SESは現場の文化次第で、これが長期化しやすい。

◆ 脱出ルート

  • 自社に労務相談
  • 現場変更を希望
  • “炎上のしにくい業界”へ転職(例:自社サービス)

■ 6. 雑務・調整業務ばかりでキャリアに繋がらない

◆ よくある悩み

  • 会議メモ係
  • エクセルの修正
  • 手順書作り
  • 「スキルが積み上がらない毎日」

◆ 心理学でいうと「成長感の欠如」

人は成長感があると幸福度が上がるが、
単純作業の繰り返しは
「自分が置き去りにされている感覚」
を生む。

◆ 脱出ルート

  • 業務の中で“学べる点”を意識的に見つける
    会議でもよく発言する人、影響力のある人の発言をよく聞いてみるとどう考えているのかなど学べることある。
  • 自主勉強でスキルを底上げ(資格・ポートフォリオ)
    業務外の時間でやることになるので結構パワーいるけど、後々活きてくる。
  • 開発寄りに移れる会社へ転職

■ 7. 「結局、自分は一生SESなの?」という将来不安

これはSESの人がほぼ全員抱える悩み。(私も同様)

◆ 心理学で言うと「不確実性ストレス」

未来が見えない状態は、
人間の脳にとって“危険”と同じ扱いになる。

未来が読めない → 不安
不安が続く → 行動力が落ちる

これが多くのエンジニアを消耗させる正体。

◆ 脱出ルート

  • キャリアの方向性を決める
  • 転職サイトで“自分の価値”を可視化
  • 方向性が決まれば、迷いが一気に減る

■ 最後に:SESが悪いんじゃなくて、相性があるだけ

あなたが悪いわけじゃない。
メンタルが弱いわけでもない。

「SESという働き方と、今のあなたの状態が合っていないだけ」

これは心理学的にも正しい。

もし今の職場に違和感があるなら、
それはあなたの感覚が間違っているんじゃなくて、
環境があなたに合っていないだけ。


■ 次やることリスト

  • 自分の「限界サイン」を整理する
  • 現場変更を相談してみる
  • キャリア方向性を考える
  • 自分の市場価値を把握する
  • ゆっくり休む日を1日作る

転職するしないは最後でいい。
まずは 逃げ道を確保して精神的な安全地帯を作る こと。

少しでも立ち止まって自身を振り返り、そして労わるようなきっかけになれば幸いです。

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