改めて就活を振り返ると、どうしても違和感が残る。
当時の自分は就活なんてクソくらえ!と思っていた。
- なぜあんなに「やりたいこと」を求められたのか
- なぜ10年後のキャリアプランを語らされたのか
- なぜ“理想の自分”を演じる必要があったのか
当時は必死だったから深く考えなかったけれど、
社会に出てしばらく経った今、はっきり思う。
就活って、少しズレた前提で設計されている。
この記事では、
学校でも就活セミナーでもあまり語られない
「就活の本当の目的」と「仕事とのリアルな関係」を、
実体験&現実ベースで整理していく。
就活で刷り込まれる「幻想」
就活中、よく言われる言葉がある。
- 好きなことを仕事にしよう
- やりがいを大切に
- 自分の軸を持とう
この考え、間違ってはいない。
ただ、全員に当てはまるわけでもない。
むしろこの言葉たちが、
多くの人を苦しめているようにも見える。
「好きなことが分からない自分はダメなのか」
「やりたいことがないと就職できないのか」
そんな不安を量産してきたのも事実だ。
就活の“本当の目的”は別のところにある
じゃあ就活の目的って何なのか。
結論から言うと、
企業に入ることでも、夢を見つけることでもない。
自分という人間を客観視すること。
ここが一番大事なポイント。
学生から社会人になるときに、これまで子供だったのが大人になる感じがする。
学生時代ってほんとにいい意味で青春で、
そこには若者特有の悩み・葛藤がある。
これまで自分は何に対して悩みを持ってきたのか、
何に対して感情が高鳴ったのか、
自分という生き物の歴史を振り返るのが
就活時にせっせとやっていた自己分析の本質である。
自己分析は「人生を縛るため」じゃない
自己分析という言葉は、
就活界隈でだいぶ誤解されている。
就活でありがちなズレた自己分析
- 企業ウケする性格を作る
- 無理やり「やりたいこと」を捏造する
- 将来像を確定させようとする
これをやると、
入社後に必ずズレが出る。
「思ってた仕事と違う」
「なんかしんどい」
そう感じる人が多い理由のひとつだ。
本来の自己分析は「自分を守るためのもの」
自己分析には、2種類ある。
① パーソナル自己分析(本当に大事)
これは一生モノ。
- どんな環境でストレスが溜まるか
- 人との距離感はどのくらいが楽か
- 競争と協調、どちらが向いているか
- 変化が多い環境に耐えられるか
これは前述のとおり、
自分という生き物の取扱説明書を作る作業だ。
② キャリア自己分析(参考程度でOK)
- 将来やりたいこと
- キャリアプラン
- 理想の働き方
これは
**「今の自分の仮説」**くらいでちょうどいい。
正直、社会に出てから価値観は変わる。
結婚・出産などの私生活の変化、その時々で思考の比重が異なってくる。
だからここをガチガチに固めなくていい。
MBTI診断は「決めつけるな、避けるために使え」
最近よく見るMBTI診断。
これも使い方次第。
- ❌「私は○○型だからこの仕事が向いてる」
- ⭕「この傾向があるなら、この環境は避けよう」
MBTIはラベルじゃなくヒント。
「自分を縛るため」じゃなく
「事故らないため」に使う。
この距離感が大事。
仕事は“好き”じゃなくて“役割”と割り切る
ここからは少し生々しい話。
世の中の多くの人は、
仕事を「生活のための手段」としてやっている。
- 家族を養うため
- 生活を安定させるため
- 選択肢を残すため
好きだから、やりがいがあるから、
それだけで働ける人はごくごく少数派。
それでいい。それが正常な感覚なのである。
会社側の視点に立つと見える現実
会社の立場で見ると、
従業員はどう見られているか。
極論を言えば、
会社は成果を出す人を評価する。
個々人の事情までは面倒を見きれない。
冷たいようだけど、これが現実。
だからこそ、
- 無理な環境で我慢し続ける必要はない
- 合わない場所から離れる判断は逃げじゃない
働く場所を選ぶのは、生存戦略。
上場企業だからとかじゃなくて、自分がそこで働いて問題なく生きていけるかが一番重要。
就活のゴールは「自分を売り込む」ことじゃない
就活の本当のゴールは、
自分が壊れにくい環境を見極めること。
どんな会社かより、
自分がどういう人間か。
ここが分かっていれば、
仕事との向き合い方はかなり楽になる。
学校では教えてくれなかったけど、かなり大事なこと
- 仕事に夢を見すぎなくていい
→仕事はお金を得るための手段の一つ - 自己分析は未来を縛るためじゃない
→自分を知るためにやるもの - 会社はあなたの人生の責任を取らない
→会社からみたら一従業員 - だからこそ、自分を知ることが武器になる
→自己分析の本質。職場・仕事選びの基礎 - 新卒カードは大事
→ある程度ハードルが下がってる。
これを知っているだけで、
働き方・就活の選択肢は広がる。
まとめ|就活は「人生を決める場」じゃない
就活は、人生を決める儀式じゃない。
自分を知るための通過点。
そこで得た気づきは、
社会に出てからも、
転職を考えるときも、
必ず役に立つ。
「ちゃんと自分を知ろうとした経験」は、
無駄にならない。



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