作ることと、使い続けることは別だった
感情記録アプリ「ココログ」を作り始めた時、私はある勘違いをしていた。
記録機能さえ作れば使い続けられる。
そう思っていた。
感情を入力できる。
振り返りもできる。
検索もできる。
それで十分だろうと。
でも実際は違った。
アプリは完成しても、使い続けてもらえるとは限らない。
それどころか、自分自身ですら続かないことがあった。
一番最初に離脱しそうになったのは自分だった
開発中は毎日触る。
当然だ。
作っているのだから。
問題はその後だった。
数日経つと開く回数が減る。
記録し忘れる。
気付けば数日空く。
「あれ?」
と思った。
ユーザーより先に、開発者である自分が続けられていない。
これはまずい。
そう思った。
通知を追加した理由
最初の改善は通知だった。
シンプルな話で、忘れる。
記録したい気持ちはある。
でも日常は忙しい。
仕事。
家事。
子どもの寝かしつけ。
個人開発。
気付けば一日が終わる。
だから毎日決まった時間に通知を送るようにした。
技術的には難しくない。
でも効果は大きかった。
思い出すきっかけになるだけで記録率が変わった。
ホーム画面を作った理由
最初のココログにはホーム画面がなかった。
記録する。
振り返る。
設定。
それだけ。
機能としては成立していた。
でも面白くなかった。
開いた瞬間に何もない。
少し味気ない。
そこでホーム画面を作った。
今日のメッセージを表示する。
最近の記録を表示する。
開いた時に何かしら反応が返ってくるようにした。
すると少しだけアプリを開きたくなった。
「最近のココログ」を表示した理由
人は意外と自分のことを忘れる。
昨日何を考えていたか。
数日前に何を悩んでいたか。
思った以上に覚えていない。
そこで最近の記録をホームに表示した。
すると、
「そういえばこんなこと考えてたな」
と思い出せるようになった。
記録するだけではなく、記録が返ってくるようになった。
一番好きな機能は「あのときのココロ」
個人的に一番好きなのはこの機能かもしれない。
1週間前。
1か月前。
半年前。
1年前。
その頃の感情を振り返る。
すると不思議なことに気付く。
当時は深刻だった悩みが、今では解決していることがある。
逆に忘れていた嬉しい出来事を思い出すこともある。
感情は記録した瞬間だけでなく、時間が経ってから価値を持つ。
それを実感した。
機能を増やせば良いわけではない
開発をしていて難しかったことがある。
機能を増やすことは簡単だ。
アイデアはいくらでも出てくる。
でも増やしすぎると使いにくくなる。
画面は複雑になる。
入力も面倒になる。
続けるハードルが上がる。
だから今は、
「本当に必要か?」
を何度も考えるようになった。
続けたくなる仕組みは小さな工夫の積み重ねだった
振り返ると、
通知もそう。
ホーム画面もそう。
最近のココログもそう。
あのときのココロもそう。
どれも派手な機能ではない。
でも続けるためには必要だった。
ユーザーは機能の数ではなく、続けられるかどうかでアプリを評価する。
そのことを身をもって学んだ。
おわりに
個人開発を始める前は、便利な機能を作ることが大切だと思っていた。
今は少し考えが変わった。
本当に難しいのは、使い続けたくなる仕組みを作ることだ。
そしてその答えは会議室では見つからない。
実際に使ってみて初めて見えてくる。
だから私はこれからもココログを自分で使い続けようと思う。
開発者としてではなく、一人のユーザーとして。
その先に、本当に良いアプリがある気がしている。


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